Lynx for Human68k FAQ

※注:このページは,Lynx for Human68k に添付した FAQ.x68 を HTML 化したもので,内容は同じです.

Lynx for Human68k で質問されたこと,操作中に疑問に思ったことなどを 集めてみました. 人それぞれ環境が異なり,対処しにくいこともあるので,まずこの文書を 読んでみてください.



1. ネットワーク

Q. 起動したらホスト名が存在しないと出て終了した

ホスト名は内部でIPアドレスに変換する必要があります. これは /etc/hosts にホスト名とIPアドレスを書いておくか, DNS(Domain Name Service)を使用することになります. (DNS の設定方法はドライバのドキュメントを見てください)

ホスト名が与えられたアプリケーションは全て IPアドレスに変換するために ネームサーバを検索しにいきます. そこで,ネームサーバにアクセスできないと,アプリケーションはエラーを返します.

Lynx で原因を探る前に,まず ping.x で ネームサーバにアクセスできるかどうかを 確認してください.

Q. anonymous ftp サーバによっては 転送しようとして失敗する

ftp は passive mode に設定してあります. ftp でファイル転送する際に "PASV" というコマンドを送ることによって, 防火壁(firewall)を通して転送することが可能になります. しかし,サーバによっては PASV を許可しないところもあるようです.

また,環境変数 ftp_proxy によって proxy server を指定できますので, 自分の環境に従って設定してください.

逆に,防火壁内で passive mode を使用すると失敗する可能性があります.

ちなみに,Human68k版は作者の事情(環境)により passive mode になっています. ご了承ください.

Q. 自分のアカウントで ftp サーバにアクセスしたい

"g" (指定URLに飛ぶ) を押したあと,

ftp://アカウント名@ホスト名/

と入力すると,パスワードを聞いた後 ftp 画面に移ります.

Q. proxy server を指定すると失敗する

proxy server の設定はホスト名ではなく,URL で指定する必要があります.

set http_proxy=http://www.hogehoge.or.jp/
通常,転送には TCP の 80番のポートを使います.

proxy server によっては,(Delegateなどのように) ポート番号を変更している 場合があります. 例えば,8000番のポートを使って proxy server にアクセスするには

set http_proxy=http://www.hogehoge.or.jp:8000/

と指定します.

※ lynx.cfg にも指定できるようになっていますが,動作確認していません. 環境変数で指定するようにしてください.

Q. 起動すると勝手にどこかにアクセスしてしまう

lynx.cfg に

STARTFILE:http://www.nyu.edu/pages/wsn/subir/lynx.html

とあります.STARTFILE: が URL 指定なしで起動した時に最初にアクセスする 場所を指定する項目です. オリジナルと同じく Lynx の HomePage の URL が指定されていますので, そこにアクセスしに行くのです.

これは,環境変数 WWW_HOME によっても変更できます.

Q. <FORM> で送信すると漢字が化けて送信される

<FORM> の送信は Shift-JIS で行われます. サーバの CGI(入力内容を処理するプログラム)が Shift-JIS に対応して漢字変換を 行わない場合は,正しく処理されません.

2. ファイル

Q. ファイルをダウンロードしようとしたら,転送しようとした瞬間にエラーが発生する

ダウンロードが指定されると,まずテンポラリファイルに転送データを 保存します. そのファイルはデフォルトでは /tmp ディレクトリに作られます. このディレクトリは環境変数 LYNX_TEMP_SPACE によって変更することができます. よって,/tmp ディレクトリも LYNX_TEMP_SPACE もないと,エラーが出ます.

Q. ファイルをダウンロードしたら,転送したけどセーブ画面でエラーが出て止まってしまう

前述のテンポラリディレクトリにファイルが転送されています. そのファイルを自分のカレントディレクトリにコピーしようとして失敗している ようです.

コピーはオリジナルでは cp コマンド(ファイルコピー) を使っています. Human68k 版もそれに従って cp.x を起動してファイルコピーを行うように しています. よって,cp.x が必要です.板垣氏の ITA TOOLBOX などを利用してください.

※ 2-6 Release 4 からは -nounixcmd オプションをつけて起動することによって, cp.x の代わりに command.x を呼び出してコピーするようにしました. (まだ不具合があるかも知れません)

また,環境変数 LYNX_SAVE_SPACE にディレクトリを指定すると,そのディレクトリに ダウンロードがコピーされます.そのディレクトリにコピー可能かどうか 確認してください.

Q. オプションをセーブしようとしたができない

オプションファイルは .lynxrc です.よって,ドットファイルで始まっているので TwentyOne(Ext氏,GORRY氏) が必要です.

また,このファイルは環境変数 HOME の下に作られます.HOME が設定されて いなければ,カレントドライブのルートに作られます.

Q. Bookmark をセットしようとしたができない

付属の lynx.cfg では Bookemark ファイル名が "lynx_bookmarks.html" になって いることがあります. このままでは19文字なので,拡張子を除くファイル名長制限(18文字)を越えているため に保存できません.

オプション画面の "b"(Bookmark file) で変更してください.

Q. パス名に "\" や "!","$" などを使うとうまくいかない

libc を用いていることから,シェルエスケープ文字を用いると正しく指定できなく なりますので使わないでください.ただし環境変数 HOME と LYNX_*_SPACE に ついては,"\" を "/" に変換するようにしています.

3. キー入力

Q. テンキーがページ移動に使えない

Human68k 版ではカーソルキーに対応しているので,テンキーは使用しません. (数字入力になります)

Q. CTRL+G を押しても中断できない

IIJ-PPP を使用して PPP 接続をされる方にとって,中断できないというのは 非常に深刻な問題です.

lynx for Human68k でも対処したいのですが,キーチェックは行っているとはいえ, 一度 TCP/IP のドライバに制御が移ってしまうと中断する手段がありません. ご了承ください.

やむを得ず止めたい場合,Interrupt スイッチを押すことで強制的に中断すること ができます.但し,中断後の状態は不安定ですので,適切な処置を行った後に リセットすることをお勧めします.

Q. <FORM> で漢字が正しく入力できない

古いバージョンではFEPが開けませんでしたが,現在では入力できるように なっています. 途中のバージョンでは一部のキーが入力できなくなっていたようですが, 現在は修正されています.

Q. <FORM> でスクロールすると漢字が化ける

Shift-JIS を使用しているため,スクロールによる漢字判定がうまくできないために 起こっています.(オリジナルも同様) 対処が非常に難しいので,対処する予定は今のところありません.

4. 画面表示

Q. 画面が崩れることがある

時々,データを取りこぼすことがあるようです. ただ,Lynx が原因なのか,ドライバが原因なのかが特定できないのが現状です.

Q. 起動したら日本語が出ない *

付属の lynx.cfg の設定で,文字コード設定が "ISO Latin 1" であることが あります.

Q. <TABLE> が左詰めで表示されてしまう

Lynx2-6 の libwww では<TABLE>は表示するだけの対応のようです.

5. その他

Q. メールが送れない

2-6 Release 8 から、小笠原さんの msmtp.x を使用してメールを送れるように しました.msmtp.x の設定を正しく行ってから,Lynx で mailto: のリンクを アクセスして下さい.

また,Option の "Personal Mail Address" に自分のメールアドレスを正しく 指定しておく必要があります.

Q. signal が発生して終了してしまう

少しずつ安定に向かっていますが,まだまだバグの可能性が大いにあります.

発生した signal 番号や直前のメッセージ,使用している環境および設定, -trace オプションで起動した時の結果,直前の操作 などを送っていただけると バグ退治の参考になります.

Q. ESP/X, Neptune-X, PPP って何?

ESP/X とは計測技研が発売していた SCSI 接続型のネットワークインタフェースです. Human68k 用のドライバが用意されており,Lynx for Human68k でも使用しています.

Neptune-X とは,AT互換機で defact standard である NE2000 のクローンボードを X68k に乗せるためのバスブリッジボードです. 回路データが作者の嶋田さんによって公開されています.

http://www.com.cs.osakafu-u.ac.jp/~shimada/ether/

PPP とは,Ethernet の代わりに電話回線で TCP/IP が使えるようにするプロトコルです. IIJ版PPP パッケージが白方さんによって移植されています.

http://www.kdel.info.eng.osaka-cu.ac.jp/~shira/x68000.html

Neptune-X と PPP は次のような関係になります.


        +--------------------------------------------------+
        |                   Application                    |
        +--------------------------------------------------+
	|              inetd.x (TCP/IP driver)             |
        +-----------------------+--+-----------------------+
        | ether_ne.x (Neptune-X)|  |     ppp.x (PPP)       |
        +-----------------------+  +-----------------------+
        +-----------------------+  +-----------------------+
        |        Ethernet       |  |   Modem (Telephone)   |
        +-----------------------+  +-----------------------+

Q. Lynx の解説書や Web Page は?

英語で良いならば,オリジナルのアーカイブに Lynx から読める Lynx ヘルプファイルが付属しています.

ftp://ftp2.cc.ukans.edu/pub/lynx/

Lynx の情報は次のところで得られます.

http://www.lynx.browser.org/
http://www.crl.com/~subir/lynx.html

日本語となるとなかなかないもんです. Lynx を日本語化してくださったあさださんのホームページ

http://www.isoternet.org/~asada/lynx/

が参考になるでしょう.

また,佐々木さんが現在の Lynx ヘルプファイルの日本語訳を作成 されています.(作業が減って良かった:-))

http://katayama-www.cs.titech.ac.jp/~sasaki/data.html#Lynx

私が参考にしたのは次の文献です.

岡山聖彦,片山喜章:"UNIX の道具箱 13 World Wide Web ブラウザ編(2)",
UNIX Magazine 1995年11月号,アスキー,1995

Lynx for Human68k の情報については

http://dec.sakura.ne.jp/~hayashi/x68k/lynx.html

を参照してください.

Q. 次のバージョンは?

本家では Lynx2-7-1 が 正式にリリースされました. 現在,Human68k に対応作業中ですが,2-6 に比べて不安定になる可能性があります. そのため,当分の間は 2-6 Release 9 を 正式版とし,2-7-1 の対応とバグ出しを することになりそうです.

ちなみに,通常使う分には 2-6 と 2-7-1 は大差ありません:-)


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