PicUntu導入

一昨年,Rockchip SoC が搭載された Stick 型や Box 型のデバイスがかなりの勢いで発売されました.HDMI 端子に TV を,USB 端子にマウスを繋いで電源を供給すれば,Android 端末として動作するというものです.最近では Amazon でも比較的簡単に入手することができ,DualCore や QuadCore の Cortex-A9 環境が 5000~10000円という破格値で売られています.

FirefoxOS on AndroidStick もこの PicUntu の最小インストールをスタート地点にしています.

PicUntu とは?

PicUntu とは,その Rockchip SoC 搭載の AndroidStick で動作している Ubuntu Distribution で,DualCore の RK3066,QuadCore の RK3166 がターゲットとして開発が進んでいます.とりあえず 手順に従って導入し,LXDE のデスクトップ環境を構築してみました.

PicUntu_LXDE

導入方法はサイトを見ていただければよいのですが,サイトは英語ということもあるので,FirefoxOS を載せるベースとなる準備段階までをメモしておきます.ここでは RK3066 ベースの mk808b を例としておきますが,PicUntu の開発ストリームは RK3166 ベースに移行していますので,最新環境に追従したい方は別途情報を収集してください.

用意するもの

  • Android Stick 本体
  • microSD カード (4GB 以上)
  • 電源供給用 miniUSB-USB ケーブル
  • miniHDMI-HDMI ケーブル (TV やモニタに接続)
  • USB ハブ,キーボード,マウス
  • USB-LAN (option; ASIX AX88772 は動作確認済)
  • USB-WiFi (option; Ralink RT2870 は動作確認済)

mk808b の PicUntu は内蔵 Wi-Fi や内蔵 Bluetooth が使えませんので,必要に応じて USB-LAN や USB-WiFi を導入します.
(※ kernel を再構築すれば Wi-Fi は使えそうなのですが再構築 kernel の搭載に成功してません.さらに mk808b はクローンが存在し,異なるチップが載ってたりして開けないと分からないため厄介です.)

インストール手順としては,bootloader と kernel の入った ROM イメージを本体の NAND flash に書き込む作業と,root ファイルシステムを microSD に書き込む作業の2つです.先人が詳しい説明を書かれていますので,そちらも参考にしてみてください.

ROMイメージのNAND flash への書き込み

RK3066 の PicUntu は NAND flash の Recovery 領域に bootloader と kernel の ROM イメージを置くため,Recovery 領域から起動する必要がありますが,残念ながら購入時の Android ではできません.そのためカスタム ROM の導入(要は root 化)が必要です.メジャーなところでは Finless ROM があります.mk808b 向けの Finless ROM は V1.7 を使いましたが,書いた時点より上がってるので探してみてください.ただし PicUntu の導入には新しい必要はありません.

RK3066 の PicUntu は開発が止まっていますので 0.9RC3 が最新のようです.ダウンロードファイルより ROM イメージ(*.img) を取り出します.

WindowsPC にて ROM パッケージに含まれる RKAndroidTools(ROM_Flash_Tool_xxx.exe) で NAND flash への書き込みを行います.

  • まず「本体裏の左側の穴をピンで突きながら電源を入れる」ことで bootloader モードに入ります.ドライバが要求されますので,ROMパッケージに含まれる rockusb.inf を指定してインストールします.インストールできれば NAND flash の書き込みが出来る状態です.
  • RKAndroidTools を起動します.recovery の Path を PicUntu の ROM イメージに書き直し,「Flash ROM」で書き込みが完了します.

Root ファイルシステムの microSD への書き込み

PicUntu は microSD 上の ext4fs を使います.rootfs のファイルは 「picuntu-linuxroot-0.9-RC*.tgz」 の形で配布されていますので,PC Linux や GParted LiveCD などを使って,microSD にパーティションを作成してラベル "linuxroot" で ext4fs にフォーマットした後,mount して rootfs のファイルを展開します.

起動

microSD を本体に挿して電源を入れ直します.カスタム ROM の Android が起動し,terminal を起動して recovery モードでリブートします.terminal がない場合は Google Play から入手してください.

$ su
# reboot recovery

コンソールが接続されたモニタに表示され,root:12qwaszx で login できれば成功です.

あとは煮るなり焼くなりどうぞ.apt-get install で用意されている arm 版 package が PC と同じ感覚で導入できます(速度は...同じ感覚とはいきませんが)


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